消防士の志望動機は、面接カードにも、面接の質問にも、必ず出てくるテーマです。そして、書いた内容や答えた内容は、「なぜ?」「具体的には?」と深掘りされます。薄くなりやすい志望動機のパターンと、深掘りされても崩れない作り方を解説します。地元の場合と、地元以外の場合の考え方も紹介します。
志望動機は、面接で何度も深掘りされる
FFAの面接練習で使った質問リスト203件を見ると、「志望先を志望した理由」は98%、「消防官を志した理由」は95%のリストに含まれていました。「他の自治体でもよいのでは」という質問も、69%に含まれています。
※上記は、FFAの練習用の質問リストの数字です。本番の頻度ではありません。
面接官が志望動機から確かめたいことは、大きく3つに整理できます。
- なぜ消防士なのか:他の仕事や、他の公務員ではだめな理由
- なぜこの自治体なのか:他の自治体ではなく、ここで働きたい理由
- 入ってから何をしたいか:志望動機が、将来の姿につながっているか
この3つが一本の筋でつながっていると、深掘りされても答えが崩れにくくなります。
薄くなりやすい志望動機の3つのパターン
① 「人の役に立ちたい」だけで終わる
多くの受験者が使う言葉なので、それだけでは印象に残りません。「なぜ消防士で、なぜ今なのか」を説明する、具体的なきっかけがないと、深掘りで答えに詰まります。
② 「地元だから」「体力に自信があるから」で終わる
地元であることや、体力があることは、理由の一部にはなりますが、それだけでは「他の自治体や他の職種でもよいのでは」に答えられません。FFAの合格者の声にも、地元だから、体力に自信があるから、といった薄い回答にならないよう、自問自答した、というものがありました。
③ 本音の弱い理由を、そのまま志望動機にする
FFAの無料相談では、「学力に自信がないから」といった本音の弱い理由を、そのまま志望動機にする方法は、深掘りされた時に崩れやすいとされています。本音があっても、それを前向きな言葉と、具体的な事実に置き換える必要があります。
志望動機を作る5つのステップ
志望動機は、次の順番で整理すると、一本の筋になりやすくなります。
- きっかけ:消防士を意識した、具体的な出来事は何か
- 気づき:その出来事から、何を感じ、何を大切にしたいと考えたか
- なぜ消防士か:その気づきが、他の仕事ではなく、消防士につながる理由
- なぜこの自治体か:調べた事実と、自分との接点
- 入ってから:どのような経験を積み、どのように地域に貢献したいか
たとえば、次のような形になります(例)。
「高校の時、地域の防災訓練に参加し、消防職員の方が、住民一人ひとりに声をかけている姿を見ました。(きっかけ)災害の時だけでなく、日頃から人とつながる大切さを感じました。(気づき)それを仕事として、地域全体に広げられるのが、消防士だと考えました。(なぜ消防士か)」
※上記は答え方の型を示すための例です。ご自身の実際の経験に置き換えてください。
「なぜこの自治体か」の調べ方
ここは、他の受験者と差がつきやすい部分です。FFAの合格者アンケートには、次のような取り組みが書かれていました。
- ・受験先の消防年報など、数年分の資料に目を通した
- ・近くの消防本部や、大きな消防本部の資料も読んだうえで、「なぜここで働きたいか」を話せるようにした
- ・消防署の見学に行き、実際の職員の話を聞いた
- ・消防の良い点だけでなく、課題や不祥事などの悪い点も調べた
- ・ガイダンスや説明会に積極的に参加した
調べた事実に、自分の経験や価値観との接点を加えると、「ここでなければならない理由」が具体的になります。
地元の場合と、地元以外の場合
地元を志望する場合
地元を守りたいという気持ちは、志望理由として十分に成り立ちます。ただし、「地元だから」だけでは弱いので、地元での具体的な体験と、入庁後にやりたいことを結びつけましょう。
地元以外を志望する場合
「地元は受けないのですか」と、何度も深掘りされる例があります。FFAに寄せられた本番の面接記録では、この質問が3回続いた例がありました。
この質問に対しては、人口や件数といった合理的な根拠を先に出すと、「地元への愛はないのですね」と受け取られることがあります。まず、地元への思いを肯定したうえで、そのうえで、この自治体を志望する理由を伝える順番が、有効だと考えられます。
深掘りに備える質問リスト
志望動機について、次のような質問が続くことがあります。事前に、自分の言葉で答えられるか確認しておきましょう。
- ・なぜ消防士なのですか。警察官や自衛官ではだめなのですか
- ・なぜこの自治体なのですか。地元は受けないのですか
- ・他の自治体の受験状況と、志望順位を教えてください
- ・この自治体の消防の、足りない点はどこだと思いますか
- ・入ってから、どのような消防士になりたいですか
自分の答えに「なぜ?」を3回続けて、それでも答えが続くかを試してみると、深掘りに耐えられるかが分かります。
志望動機を書き終えたら確認する6項目
- □ きっかけが、具体的な出来事として語れる
- □ 「なぜ消防士か」に、他の仕事との違いを説明できる
- □ 「なぜこの自治体か」に、調べた事実と自分の接点を挙げられる
- □ 入ってからやりたいことが、志望動機と矛盾していない
- □ 自分の答えに「なぜ?」を3回続けても、答えられる
- □ 面接カードの志望動機と、面接での答えが一致している
まとめ
消防士の志望動機は、面接で何度も深掘りされます。きっかけ、気づき、なぜ消防士か、なぜこの自治体か、入ってから、の5つを、一本の筋でつなぐことが基本です。
面接カードへの書き方は、「消防士の面接カードの書き方」で、転職の経歴がある方の答え方は、「社会人から消防士へ転職する人の面接」で解説しています。面接全体の振り返りは、「消防士の面接に落ちた理由と原因の見つけ方」を参考にしてください。
FFAは、令和6・7年度で131名が合格した実績をもとに、一人ひとりの経験から志望動機を言葉にするサポートをしています。「自分の志望動機が、深掘りに耐えられるか分からない」という方は、無料相談で一度、お話を聞かせていただけませんか?
