面接カードは、書類というより「面接の台本」です。面接官は、面接カードに書かれた内容をもとに質問を組み立てます。書き方を間違えると、答えにくい質問ばかりが続いてしまうこともあります。消防士の面接カードの書き方と、特に注意したい職歴欄のポイントを解説します。
面接カードは、面接官の質問の土台になる
面接カードは、自治体によって名称や様式が異なりますが、志望動機や自己PR、経歴などを記入して面接官に提出する書類です。
FFAに寄せられた本番の面接記録では、面接官が面接カードに書かれた内容や、職歴欄の事実をきっかけに、質問を組み立てている例が見られます。書いたことが、質問の入り口になると考えて準備するのが安全です。
- ・書いた内容は、深掘りされる前提で書く
- ・書かなかった部分や、省略した部分も、聞かれる可能性がある
- ・面接カードの内容と、面接での回答に食い違いがないようにする
面接カードの主な記入項目(例)
様式は自治体ごとに異なりますが、次のような項目が設けられていることが多いです(例)。
- ・志望動機
- ・自己PR
- ・学歴・職歴
- ・これまでに力を入れてきたこと
- ・趣味・特技
- ・資格
※実際の様式や項目は、募集要項や受験案内で確認してください。
面接カードの書き方の基本3原則
① 一貫性:志望動機・自己PR・経歴を一本の線でつなぐ
志望動機、自己PR、これまでの経歴が、バラバラの話になっていないかを確認します。「人の役に立ちたい」という志望動機なのに、自己PRも経歴もそれとつながっていないと、面接官は「なぜ消防士なのか」を掴みにくくなります。
② 深掘りされても答えられることだけを書く
実際より大きく見せようとして、話を盛ってしまうと、深掘りされた時に崩れます。面接官は「その時どう考えましたか」「具体的には何をしましたか」と聞いてきます。体験した事実の範囲で、自分の言葉で説明できる内容に絞りましょう。
③ 具体的に書く:場面・行動・結果
抽象的な言葉だけだと、印象に残りません。場面と行動を入れると、面接官も質問しやすくなります。
- ・抽象的な例:「責任感があります。」
- ・具体的な例:「アルバイト先で、新人の指導役を任され、マニュアルを作り直して、ミスの数を減らしました。」
※上記は書き方を示すための例です。
職歴欄で落ちないための注意点
転職や離職の経歴がある方、現職がある方にとって、職歴欄は最も深掘りされやすい欄の一つです。
職歴欄から聞かれやすい質問の例
FFAに寄せられた本番の面接記録では、職歴をきっかけに、次のような質問が続いた例がありました。
- ・なぜ前の仕事を辞めたのですか
- ・今の仕事を続けてもよいのではないですか
- ・前職では、どのように評価されていましたか
- ・また、すぐに辞めてしまうのではないですか
- ・(消防職員だった方に)前の消防本部に戻るという選択肢はないのですか
ESや志望動機の欄に職歴の説明を書いていなくても、面接カードの職歴欄を見て、こうした質問が出ることがあります。書いていないから聞かれない、とは限りません。
答えの筋を作る4ステップ
退職や転職について聞かれた時は、次の順番で話の筋を作っておくと、深掘りされても崩れにくくなります。
- 事実:いつ、どこで、何をしていたか
- 理由:なぜ辞める(辞めた)のか。前向きな理由で説明する
- なぜ消防士か:その理由が、消防士でなければならないことに、どうつながるか
- これから:入ってから長く続ける意思と、その根拠
たとえば、次のような形になります(例)。
「前職では、〇年間、営業として働きました。お客様の役に立つ実感はありましたが、より直接、人の命や生活を守る仕事がしたいと考えるようになりました。そう思っている時に能登半島地震が発生し、人々に直接手を差し伸べる勝負推しの姿を見て、この仕事に人生を捧げたいと思うようになりました。消防士として、長く地域に貢献していきたいと考えています。」
※上記は答え方の型を示す例です。ご自身の実際の経験に置き換えてください。
空白期間や短期間の在職がある場合
職歴に空白期間や、短い期間での離職がある場合は、事実を正確に書いたうえで、面接で説明できるように準備しておきましょう。隠したり、ぼかしたりすると、面接で質問された時に、答えが不自然になりやすくなります。
欄ごとの書き方のポイント
志望動機
きっかけになった具体的な出来事を入れます。「なぜ消防士か」に加えて、「なぜこの自治体か」にも答えられるようにしておくと、深掘りに耐えやすくなります。
自己PR
「強み → エピソード → 消防士としての活かし方」の順に書くと、まとまりやすくなります。面接で話したい内容を、あえて書いておく方法もあります。書いた内容は質問されやすいため、話したいことに誘導する効果が期待できます。
趣味・特技
面接で話が広がる内容を選びます。深掘りされた時に、具体的に話せないものは、書かないほうが安全です。
書き終えたら確認する6項目
- □ 志望動機、自己PR、経歴の間に、矛盾がない
- □ 書いた内容のすべてについて、具体的なエピソードを話せる
- □ 期間、役職、数字など、事実が正確である
- □ 退職や転職の理由を、前向きな言葉で説明できる
- □ 自分の回答に「なぜ?」を3回続けても、答えられる
- □ 誤字脱字がない
面接カードをもとに、自分で想定質問を作る
書き終えたら、面接官の立場で、自分の面接カードを見て、聞かれそうな質問を書き出してみましょう。特に、職歴欄と志望動機欄から、何を聞かれるかを考えます。
自分一人では盲点が残るので、第三者に質問してもらう、録音して聞き直す、といった方法も効果的です。面接の振り返りの方法は、「消防士の面接に落ちた理由と原因の見つけ方」でも解説しています。
まとめ
消防士の面接カードは、面接官の質問の土台になります。一貫性を持たせ、深掘りされても答えられる事実だけを、具体的に書くことが基本です。特に、転職や離職の経歴がある方は、職歴欄から聞かれる質問に、筋の通った答えを用意しておきましょう。
試験全体の傾向は、「消防士試験に落ちる人の共通点」で整理しています。
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