社会人から消防士を目指す方にとって、面接で避けて通れないのが「なぜ前の仕事を辞めたのですか?」という質問です。転職の経歴は、答え方次第で弱みにも強みにもなります。面接官が確かめたいことと、退職理由や「また辞めてしまうのでは」への答えの作り方を解説します。消防から消防へ転職する方の注意点も紹介します。

 

目次

転職者の面接で、面接官が確かめたいこと

FFAに寄せられた面接の記録や、相談の内容から見えてくる、転職者への質問の狙いは、大きく3つに整理できます。

  1. 辞める理由に納得できるか:不満から逃げているのではなく、前向きな理由があるか
  2. なぜ消防士でなければならないか:他の仕事や公務員ではだめな理由が語れるか
  3. 長く続けられるか:入ってから辞めずに働き続ける覚悟と根拠があるか

この3つに、一本の筋が通っていると、転職の経歴は「経験がある人」という強みに変わります。筋がずれていると、深掘りされるたびに答えが崩れてしまいます。

転職者が聞かれやすい質問の例

職歴をきっかけに、次のような質問が続くことがあります。

  • ・なぜ前の仕事を辞めたのですか(辞めるのですか)
  • ・今の仕事を続けるという選択肢はないのですか
  • ・前職では、どのように評価されていましたか
  • ・また、すぐに辞めてしまうのではないですか
  • ・収入や待遇が変わることは、どう考えていますか
  • ・家族の方は、転職に賛成していますか
  • ・なぜ民間企業や他の公務員ではなく、消防士なのですか

FFAに寄せられた本番の面接記録では、面接カードの職歴欄をきっかけに、退職の理由や「また辞めるのでは」という不安を、そのまま問われた例がありました。ESに書いていないから聞かれない、とは限りません。面接カードの書き方は、「消防士の面接カードの書き方」でも解説しています。

退職理由を、前向きな言葉で説明する

不満中心の説明は、面接官に不安を残す

人間関係や待遇、仕事のきつさといった不満を中心に話すと、「消防に入っても同じ理由で辞めるのでは」という不安を残します。事実として不満があっても、そこだけで説明を終えないことが大切です。

  • ・不満中心の例:「前職は残業が多く、休みも取りにくかったため、辞めたいと思いました。」
  • ・前向きな例:「前職では、お客様の役に立つ実感はありましたが、より直接、人の命や生活を守る仕事がしたいと考えるようになりました。」

※上記は書き方を示すための例です。ご自身の実際の理由に置き換えてください。

「事実 → 気づき → 消防士」の順で話の筋を作る

退職理由は、次の順番で整理すると、深掘りされても崩れにくくなります。

  1. 事実:いつ、どこで、どのような仕事をしてきたか
  2. 気づき:その経験を通して、何に気づき、何を大切にしたいと考えたか
  3. 消防士:その気づきが、なぜ消防士でなければならないことにつながるか
  4. これから:入ってから、どう働き続けたいか

「気づき」の部分に、自分の具体的な経験を入れることが、他の受験者と差がつくポイントです。

「また辞めるのでは」への答え方

この質問は、面接官が自分の不安を、そのまま言葉にしたものです。慌てずに、次の3つを意識して答えましょう。

  1. 不安を否定せず、受け止める:「そのように思われるのは当然だと思います」と、まず受け止める
  2. 今回は違う理由を、事実で示す:前職を辞めた理由と、今回の志望の違い。覚悟を示す行動(資格の取得、体力づくり、消防団や災害ボランティアへの参加、志望先の情報収集など)
  3. 長く働く姿を、具体的に語る:入庁後に、どのような経験を積み、どのように地域に貢献したいか

「頑張ります」という気持ちだけでなく、「すでにこれをしてきた」という事実を添えると、説得力が高まります。

年齢・収入・家族への不安をどう扱うか

FFAの無料相談では、「転職する年齢が遅いのでは」「収入が下がるのでは」「家族に相談してから決めたい」といった悩みが、よく挙がります。

  • ・年齢:受験資格の年齢上限は、自治体で異なります。募集要項で確認しましょう
  • ・収入・待遇:面接で聞かれた時は、条件の変化を理解したうえで、それでも消防士になりたい理由を語れるようにしておきます
  • ・家族:家族の理解を得ている場合は、その事実を伝えられると、「また辞めるのでは」という不安の払拭にもつながります

複数の経歴があることは、見せ方次第で、消防の現場で活かせる強みになります。

消防から消防へ転職する人の面接

現職の消防職員や、消防の勤務経験がある方が、別の消防本部を受ける場合は、質問の深掘りが特に厳しくなることがあります。

  • ・なぜ今の消防本部ではだめなのですか
  • ・今の職場では、どのような人だと言われていますか
  • ・前の(今の)消防本部に戻るという選択肢はないのですか

FFAで消防から消防へ転職して合格した受講生は、「消防から消防への転職者に聞かれる内容と対策を、教えてもらえたことが良かった」という声を寄せています。

また、消防の経験者は、面接や小論文で使えるエピソードを、日頃からメモしておく方法も有効です。対策を始める時に考えても、思い出せない経験は多くあります。思い出した時にメモしておくと、面接の準備で見返せます。

面接前に確認する6項目

  • □ 退職(転職)の理由を、前向きな言葉で説明できる
  • □ 「なぜ消防士か」が、経歴と一本の線でつながっている
  • □ 「また辞めるのでは」に、事実を添えて答えられる
  • □ 志望先の自治体を選んだ理由を、説明できる
  • □ 面接カードの職歴欄を見て、聞かれる質問を想定している
  • □ 収入や家族のことを聞かれても、自分の言葉で答えられる

まとめ

転職の経歴は、答え方次第で強みにも弱みにもなります。面接官が確かめたいのは、辞める理由の納得感、消防士でなければならない理由、長く続けられるかの3つです。「事実 → 気づき → 消防士」の筋を作り、「また辞めるのでは」には、覚悟を示す行動で答えましょう。

面接全体の振り返りの方法は、「消防士の面接に落ちた理由と原因の見つけ方」で、試験全体の傾向は、「消防士試験に落ちる人の共通点」で整理しています。

FFAは、令和6・7年度で131名が合格した実績をもとに、経歴を踏まえた面接練習を、一人ひとりに合わせてサポートしています。「自分の転職理由が、面接で通用するか分からない」という方は、無料相談で一度、お話を聞かせていただけませんか?